伝染する心 2010/01/07 (Thu)

森鴎外の『山椒太夫』を読みました。
弟の厨子王といつも夢物語をしゃべっていた安寿は焼き印を額に付けられた日から、喋らなくなります。自分の命と引き換えに、一家の運命を変える計画を考えていたからです。
恐ろしい、悪い人ばかりに出会ったがために、自分たちの不幸がある。ならば、運命を変えるには、善い人に出会うしかない、と弟一人を逃亡させるのです。
命を惜しいと思っていない安寿の覚悟の決断、そして説得は厨子王に伝染して、未来の絶対の成功を確信させます。
私にも、安寿の確信が伝染したような気がします。
同じ事を繰り返しても運命は変わりません。命がけの覚悟で新しい行動を起こしてこそ、新しい展開があるのでしょう。安寿とまではいきませんが、強い強い決意をします。