キャッチする物 2010/09/05 (Sun)

安達かずみです。
メンバーの実家をお借りして、次の本番の為の練習をしました。
練習が終わって、そのお母さんの為のささやかなコンサートをしました。
最後の曲は、朝のほんのわずかな素晴らしく美しい時を曲にしたものですと紹介しました。
朝露がダイヤモンドの輝きを数知れず見せてくれる、あの瞬間、地球が無償で与えてくれる贈り物の時です。
そんなお話をして、その曲を演奏し終わると、お母さんは
「病床にあって、外に出れない友人が、この美しい朝の茜色を病室の窓から見ているだろうか、ということを歌った短歌を作ったことを思い出して聞きました」と言って、それから、ご自分の作った短歌のノートを持って来て見せて下さいました。
お母さんご自身が、今、体調がすぐれず、ほとんど外に出れない状態ですが、人のことや外の世界の事に思いが向いて、少しでも、ご自分の苦しみから離れられたらいいなと思います。

現実の苦しみは何も変わらないのですが、音楽を始めとするあらゆる文化には、五感のチャンネルを拡大して、他の、より宇宙的な物をキャッチさせる力があります。
鼻歌でも、空気の色は変わるのです。